* デ コ 部 屋 *
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 こないだ帰省したら同居している父方の祖母が家に居なかった。なんでも老人施設に入ったとか。面会に行くと丁度祖母は大広間みたいな所に居た。殆どの人がそこでお話しをしたり、TVを視たりしている様だった。

祖母に、「ちはるだよ」と言ってもワタシのコトが判らない様子だったのに、「ちゃあちゃんだよ」と言ったら、「あ〜ちゃあちゃん!」と即座に判ってくれた。なんだ、そんなに呆けてもいないじゃん。

 施設は新しく綺麗で、暖かいせいか、人が沢山いるせいか、祖母は以前よりもずっと血色が良く若返った様だった。祖母はおしゃべりが好きだから人と触れ合える施設選択は大正解だったようだ。

でも、これでイギリスの施設だったら、自分がずっと使っていた私物を持ち込むことはもちろん奨励されているし(痴呆症の方は、環境の変化によって症状が急激に重くなるコトもある為、自分の昔から使っている私物を施設のお部屋に持ち込むコトによって、それを少しでも緩和しようとする考え)それどころか入所に当たって、壁紙から自分の好みに、まるで自分の部屋の様にアレンジしてくれるトコロなんだけれど・・・

日本の施設ではやっぱりムリみたい。各自のお部屋は病院の付属の施設のせいか病院のそれと全く同じ、とても殺風景な状態だった。だれも私物なんか持ち込んでいる人はいなかったし・・・。

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 昨日(2000年3月22日)、深夜番組を視ていたら「デコデスク」と言ってOLさんが自分のデスクにぬいぐるみを置いたり、ポスターを貼ったりしてデコレーションしている、というのをやっていた。なんでも、そうするコトで自分の「なわばり」意識が満足できる為、ストレス解消になるらしい。

 ワタシが見習いナースの頃、整形外科病棟で、やっぱりベッドの周りをラジカセやぬいぐるみで一杯にしていた高校生の女の子が居た。その頃のワタシはまだそれを「良い」と言い切れるまではいかなかったけれど(緊急の場合等、邪魔になったりする時があったので)そうするコトでその子の気持ちが落ち着くならそれで良いと思っていたし、誰も咎めるナースはいなかった。

でも多くの方、特に年輩の方はそういうコトは遠慮してしまうのが一般的だったし、あんまりベッドが私物であふれてたりすると、お掃除のおばさんに嫌がられたりっていうコトも確かにあった。

まぁ、とかく日本の病院や施設は規則、規則で祖母の所はそうでは無いけれども、徹底している所になると施設内で着る服からお風呂のタオルにいたる迄、全館統一皆一緒、なんてコトもあるらしい。

そうするコトで要らないトラブルや面倒な事が減る、っていう面も確かにあるんだろうけれど・・・

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 せめて自分が「ここで死のう」と決めて入った施設では、自分の大切にしていたモノくらいは持ち込みたいよなぁ・・・だってさ、一応、死ぬまでは「自分」で居たいじゃん?

私物を拒否されるって事は、大げさかもしれないけれども、それまでの自分の生き方や暮らし方を全否定されてるって感じがするよなぁ・・・

・・・これって身近な人権問題だよな。ん。