* 二 十 歳 の 原 点 *
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 何年か前に「二十歳の原点」を読み返した。

 当時の私は大学に通っていて、大学までは小田急線で片道30分強だった。
その通学電車にその本を持ち込んで、ちょうど往復と往で読み切ってしまった。
ちょっと、ショックだった。

 私が最初にその本を手にしたのは確か小学校6年生の頃だった。
当時の私にはこの本はすごく読み応えのある本で、未消化の部分を残さない様、気を付けながら租借しつつ、毎日、毎日、一言、一言、かみしめる様に読んたのだ。
それで確か読み終わったのは、・・・もしかしたら中一の夏休み前位だったかもしれない。
 それ程当時の私にはボリュームのある本だった。

 所が、二度目に読んだ時は通学電車の片道3つ分で読み切ってしまった。
そのことが、良いとか、悪いとかではなく、少し驚いてしまった。
今思うと、ちょっと淋しかったのかもしれない。

 二度目の「二十歳の原点」は、まるで最初に読んだ時と別の本の様だった。
子どもの頃は、ただただ、モーレツな「インパクト」として私に迫って来たものだったが、二度目では時間は短かったが「あの時」到底理解出来なかった作者の感情や、細やかな人間の、いや人生のひだみたいなものが私の中に浸み入って来る様だった。

 ところで、「男はつらいよ」という映画があったが、アレも子どもの頃と大人になってからと2度観たモノがあったが、やっぱり全然印象の違うモノになっていた。

 子どもの頃ナゾだった、『なんで寅さんはマドンナが好きなの去って行ってしまうのか』とか『どうしてマドンナとイイトコまで行くのに最後にダメになっちゃうのか』とか、そういうのも解けた。

 子どもの頃は「オジサン」だった寅さんが、今は(まぁ、オジサンはオジサンだけど)一人の男性として私の前に立っている。そして同じ(?!)大人として、そしてさすらいの人として私は寅さんと重なる。

 又、20年位経って「寅さん」を観たら面白いだろう。手軽なYGみたいだ。