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まぐまぐ・ID21973


ふぁいるでーた

香港の英国式病院で


通しNo .00024
〜なはなし
どたばた・とほほ
〜のはなし
旅・せかい
喰いもの・せいかつ
せかい
香港(返還前)
タイ王国
東豪州
〜のころ
ナース卵
すなふきん(前半)
とき '92 7月-'92 10月
メルマガ配送日
 2002/03/22号


香港の英国式病院で

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このお話しは三話読み切り連載になっています。
第一話『香港の英国式病院で』 第二話『香港の韓国料理屋で』
第三話『香港の日本語学校で』

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ワタシは以前、香港の日本語学校で働いていた事がある。

そうなる前はこんないきさつがあった。-----

上海についてしばらくした時、不正出血が続いた。

生理でも何でも無いのに嫌な出血があるのだ。こういう時、看護学生(*1)というのはややこしい

あれやこれやと色々コワイ病名を次々に思い描いてしまう。(ってかワタシだけ?)

まぁそんな訳で旅先で体の不調を感じたワタシは、予定していた北京行きの飛行機をキャンセルして(それが後々に大変な事になるのだが、それはまぁ今は置といて)香港へ向かった。

香港には一度行ったコト(バックナンバー『『香港の肉まん。』をご参照下さい)があるし、西洋医療の病院も(中国よりは)多そうだし、知り合い(後のワタシの旅の師匠になる方)も滞在していたし、

なんと言ってもワタシは香港が大大大大大好きなのだ。

という訳で飛行機で香港に飛んで、知人が服務員(ハウス・キーパー)として滞在する宿屋に荷物を下ろした。

そして次の日かその次の日か、ともかくもう夕方近くだったけれど、苦労して自分の症状を英語でメモした紙切れを持って、香港のジェネラル・ホスピタルへ行った。

やっぱ、旅行者は「ジェネラル・ホスピタル」らしい。

バンコクのジェネラル・ホスピタルは非常に快適で、疲れた長期旅行者はしばしば慰安にそこを利用(本当はいけませんよ(^_^;)。

でも栄養失調とかよくなってる旅行者もいるから、まぁ、いいのかもしれないんだけど)してるらいし。

話しに聞くと、そこはタイのパラダイス、冷暖房完備、優しい看護婦さんの看病。そして日に一度は日本食も出前してくれるとか。

支払いは旅行保険に入っているからキャッシュレス

さぁて、香港の「ジェネラル・ホスピタル」はどんなところかにゃ〜?

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「ジェネラル・ホスピタル」はいわゆる一つの救急病院になっているみたいで、具合の悪い人であふれ返っていた。しかもなんだかみんなお金持ってなさそう(*2)

ん〜・・・

廊下であらゆる病人・けが人と一緒に散々待たされた挙げ句、診察に来た若い医者は、ろくろくワタシを診察もせずに問診だけで、いきなり

「入院しろ」

とのたまわった。(っていうかもうワタシはその時点で入院手続きされていたらしかった。)

その時はワタシは知らなかったのだが、イギリス式の病院というのは、「病院」は只の施設のそろっているハコで、各ホームドクター(日本で言う所の町医者)が必要な時、自分の患者を治療する為に利用するってぇ所だったのだ。

従って、病院にはその病院専属の、という医師はいない。

ワタシが行った香港の病院は、専属の医師が全くいないという訳でもなかったのだろうが、ともかく、婦人科の医者がいなくて、

それで一旦自分が入院して、後日その病院に婦人科の先生を呼んでもらって診てもらう、ということだったらしい。

ところがその頃のワタシはまだ広東語も英語も全然おぼつかなかったので、そのしくみがうまく理解出来なかったし、

その若い男性の医師が、ワタシが真剣に生理などの話しをしようとすればするほど、隣にいた若い看護婦達ときゃあきゃあと騒ぐのが嫌だったし、

(多分、女性のワタシが関係ない科の医師である彼に堂々と生理の話しをしたりするのをひやかしたんだろう。)

それに、もし入院して莫大な費用がかかったら、それが全て保険でカバーできるかも心配だったので、一度帰りたいと言ったらダメだと言う。

押し問答の末、埒があかないので英語に明るい知人に電話して事情を通訳してもらうと、

どうやらワタシはいつの間にやらそこへ入院していたらしく、だから宿屋に帰るのには一旦退院の手続きを取らなければならない、と、どうやらそういう事らしかった。

そこからまたすったもんだでどうにか「退院」し、その日はもう暗くなった香港の道を歩いて宿屋まで帰って来てしまった。

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そして後日、日本に留学していたという、しかも女医さんの婦人科の先生を捜すことが出来、その先生の医院に掛かる事にした。

所がそこでは支払いがキャッシュレスにはならなかった。

キャッシュレス、というのは、その保険会社の発行するカード(保険証)を病院に提示すると、その病院は直接自分の保険会社に治療費を請求するというシステムで、

旅行者自身ががその場で支払いをしなくてすむ、というしくみのことだ。

それでワタシはそのキャッシュレスが出来て、しかもキャッシュレスにしてくれる提携病院が多い、という事でその米国資本の保険会社の旅行保険を選んだのだが、

何でも今の「ワタシ」の場合は、入院すればキャッシュレスになるけれども、このホームドクターにかかる場合にはキャッシュレスにはならず、

一旦自分でお金を立て替えて、後日保険会社に請求しなければならないらしかった。

ん〜マズイ。

だいたいこっちは看護学校(*1)の夏休み一ヶ月の予定で来てるんだからお金もそれ程持ってないし(10万円弱から上海での滞在費、香港までの飛行機代を引いた額しか持ってなかった)

勿論、日本の健康保険などは使えないのだから、なんらかの障害で旅行保険の保険会社に支払ってもらえなかったりしたら、相当な額をそっくり自費で払う事になってしまう。

はたして、保険会社はきちんと立て替え分を払ってくれるのだろうか・・・ああ、こんな事ならアメリカの保険会社なんかと契約するんじゃなかったか・・・?!等と一瞬思う。

でも、もし入院するとなるとまた「あの」ジェネラルホスピタルに行かなければならない。

それに入院すれば入院した分だけ、費用はかさむだろう。もし旅行保険の限度額を越えたとしたら、後は自己負担だ。

しかもここは香港。タイや中国本土よりかなり物価は高い。

でも、不正出血は続いてるしお腹も痛い・・・うー・・・やっぱり背に腹は代えられない。

ワタシはその女医さんの医院に通う事にした。

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幸いワタシの病気は急を要するとかいう類のものではなくて、普段の生活にはあまり差し支えなく、只、少し検査をしなければならない、と言い渡された。

しかし・・・医療費。と滞在費(^_^;)。

そうか。入院すれば滞在費もいらなかったのか(^_^;)

そんなこんなでお金が無くなって切羽詰まったワタシは、香港で働いてみる事にした。



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(*1)看護学生・看護学校
この時のワタシは高等看護学校の、いわゆる"進学コース"と呼ばれるのに通っていた。

ワタシは高校卒業後、信用組合で働いた後、近所の准看護学校に入学した。

その学校は昼間の学校だが二部・二年制で、通学しながら病院で看護助手として働く事が義務づけられていた。

その、ワタシの通っていた看護学校は、地元の医師会がやっていたので、卒業後はそのまま勤めていた病院で准看護婦として働くか、

病院側が了解すれば同じ系列の高等看護学校二部・夜間・三年制に進学するかが普通であった。

が、ワタシは准看護学婦免許取得、卒業後、系列の高等看護学校へは行かずに、他県の全日・二年制の"進学コース"と呼ばれる高等看護学校へ進学した。

ちなみに、准看護学校を経ず、最初から高等看護学校へ行く場合の高等看護学校は「レギュラー」と呼ばれている。  (*1)にもどる

(*2)オーストラリアでもワタシは股を何針も縫うという怪我をして病院へ行ったのだが、やっぱりジェネラルホスピタルの救急外来にはお金のなさそうな患者であふれていた。

どうやら「救急」でかかると医療費が只になるらしく、それで貧しい人達でごったがえしていた様だ。

香港も当時はイギリスだったから、元イギリスのオーストラリアと同じで救急外来は只だったのかもしれない。  (*2)にもどる




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