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ふぁいるでーた

旅の、ことば。「べらべら」編


通しNo .00005
〜なはなし
考えた事・熱く主張
〜のはなし
旅・せかい
出発前の君へ・・・
せかい
香港(返還前)
〜のころ
すなふきん(前半)
とき '92 7月-'92 10月
メルマガ配送日
 2002/02/15号


旅の、ことば。「べらべら」編

人から、

「旅の途中、ことばはどうしていたの?」

とよく訊かれる。その質問が来るとワタシは大抵

「そりゃもぉ、流暢な、流れるようなボディーランゲージ。」

と答えている。

しかし、コレもあながち誤りでは無い、っていうか、ボディランゲージは難しい。

以前、『はぢめてのタイランド・前編』で、タイで現地のおばちゃんに、「トイレに行きたい!」というのを伝えようとして、身振り手振り、

悪戦苦闘したけども上手くいかなくてイスをすすめられたりしちゃったよ、などというシャレになんない体験談を書いた事があったけども、

ボディランゲージこそ、慣れないと難しいとワタシは思う。

豪州のレザーブティックで働いていた(不法就労デス(^_^;))時もこんな事があった。

ワタシがお店の同僚やボスに何か面白い事があった時など、「ちょっと来て来て!」と手招きすると、相手はすごく複雑な顔をするのだ。

英語圏の「オイデオイデ」は、手の平を上に向けて手をひらひらさせる。

日本の、手の平を下に向けて手首から縦に「オイデオイデ」をするのは、英語圏ではどちらかと言うと「シッシッ」と相手を追っ払ってるニュアンスになるらしい。

で、ワタシが笑顔で「シッシッ」をやると、相手は「シッシッ」と追い払われた不快感と、ワタシの如何にも何か楽しい事を言いたそうな満開の笑顔とで「???」と混乱して、とても複雑な顔になってしまうのだ。

・・・かようにボディランゲージというのは案外バカに出来たモノでは無いのである。

しかし、逆に(ことばはともかく)その国の特徴的なボディランゲージというか、「こう来たら、こう」という受け答えのテンポというか、動作を覚えておくと有効だ。

例えば英語圏の国で、自己紹介をしようと

(え〜っと・・・自己紹介自己紹介・・・初対面の時は何だったっかな?ああそうそう、ないすちゅーなんとか・・・あ〜あ!はわゆーでいいのかな?んで名前は・・・ええっとまいねーむいず・・・)

とか考えながら「あ〜」とか「う〜」とか唸りながら固まっていると、相手はワタシが一体何をしたいのか、一体、何をやり出すのか(やらかすのか!)、すっごく不安になってしまって、怪訝な顔をされかねない。

そんな時、日本語で「ちはるですっ」と大きな声で言いながら、笑顔でさっと右手を出せば、相手は(ああ、自己紹介したいんだな)と、さっとその右手を掴んで笑顔を見せてくれるだろう。

棒立ちで「ないすちゅーみーちゅー、まいねーむいずちはる」と言うよりも、ずっとスムーズだと思う。

かく言うワタシは殆どソレで旅をしていた様なモノである。

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香港にいる時、宿屋で知り合った日本の美人さんを三人も食事にエスコートしたことがある。その時、お店から帰るなり

「どうやって、そんなに広東語がべらべらになったの?」

としごく驚かれた事ある。

確か最初にそう口火を切ったのは外国のエアラインのスッチーさんだった。

しかし、それは大きな誤解であってワタシは広東語なんて全っ然しゃべれない。

美人のスッチーさんにそんな事言われて恥ずかしいやら恐縮やらでそんな事ないと誤解を解こうとすれど、謙遜だと思われて一向に信じてもらえなくて困ってしまった事がある。

ほんとにワタシはいくつかの単語を知っていただけなのに。

でもワタシが香港であまり不自由した事が無いのも事実だ。

例えば、飲茶に行ったとする。ちょっと状況を思い浮かべてみると・・・

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(1) ワタシ達がお店に入ると、いきなりお店の人が何かけた
  たましくしゃべりかけきた。ワタシは間髪入れずに右手
  を出す。

するとお店の人はお席に案内してくれた。それにすみやかについていく。

(2) 席に着いて、さて、イスに座わろうとすると、又お店の
  人に何やらわめかれた。ワタシは一言、「ぽ〜れい」。

(3) 席に着いたらお茶で食器類を清めて食事開始。

(4) 何か食べたい大皿があれば注文して、ディムサム(点心)
  を食べたいときはカートを押しているおばちゃんを「ん
  ごーい」と呼び止める。

(5) 食事が終わったら「んごーい、まいたーん!」と叫ぶ。

するとお店の人が飛んで来て伝票を見ながら電卓をパチパチ。
計算が終わると伝票を見せられるから合計より少し大目のお
金かもしくはおつりの一部を置いて帰る。

お腹一杯嗚呼満足。

解説すると、

(1) 店に入るなり何か怒鳴られる

大抵の旅行者はだいたいここで圧倒されて後ずさりしてしまうけれど、店員さんが聞いているのは、何の事はない、これは大抵人数の事を聞いているだけなので、ここでは黙ってすみやかに指で表示すれば良いのだ。

中国の人の数の数え方は、片手で1〜10迄表現出来るのでとても優れている。

この指の数字は市場で買い物をする時なんかも大助かりだから是非、覚えておく事をおすすめします。

市場などでモノの値段を聞いたり、量り売りの目方を聞いたりされる時も、相手は指で示してくるから、こちらはそれより安い数字(目方の場合は高い数字)を指で示せば値切りの第一歩。

余談だけど印度の人は数を指の節で数えたりして各国で特徴があるので、現地の人に聞いてみるととても面白いヨ(^-^)/


(2) 席に座ろうとするとまた何か怒鳴られる

これは大抵はお茶の銘柄を聞いてると思って良いと思う。この時の為に?お気に入りのお茶の名前を覚えていて、それを言えばOK。(ワタシの場合は「ぽ〜れい」か「仙水」。)

これも余談だけど日本の人は大抵ジャスミン茶を頼むようだけどそれはちょっとダサいかも。

ワタシも香港でやぶからぼうにジャスミン茶を出されるとバカにされているのがミエミエでむっとしたりする。(もちろん、お茶の銘柄なんか聞いてこないフツーの店or安い店だったらみんな同じお茶ってか色の付いた水がそそがれる)

前、NHKの中国語会話で月に一度「広東語会話」をやっていたが、その講師の人がさえないオッサンのくせにすごくおもろい人で、例文が全て「飲茶」の仕方でびっくりした。

普通、外国語会話の例文って、「花屋さんはどこですか」とか「白いお家が見えました」とかじゃん?

(豪州の英語学校ではヒッチハイクしたという設定で

「靴を脱いでもいいかい?」

「今日は暑いから止めてくれ」

っていうのがあって、それもたまげたけど。)

ところがその広東語の先生は、シュウマイの頼み方とか、肉まんの頼み方とか、 そんなんばっかで笑えた。

その口座の中で、「日本の人はたいていジャスミン茶を注文しますが、これはダサいので止めましょう」という「注意」がわざわざあって、

TVの前で「ん〜、このオッサン、タダ者ではないな」(NHKの語学番組でこんなコトやっちゃうなんて)等と唸っていたものです。

勿論、ジャスミン茶が好きならそれを注文しましょう(^-^)/(「香片茶」で良かったかな)香港の人でも好きな方は沢山いらっしゃいます。飲茶の時飲むかどうかは別として。


(3) お茶で食器類を清めて・・・

コレについては機会があったら又後日。やらなくても大丈夫。周りの人を観察してみましょう(^-^)。


(4) 「んごーい!」

「んごーい!」は日本語の「すんませーん」、韓国語の「ヨボセヨ」、英語の「Excuse me.」に当たる汎用的に使えることばです。

何か注文したい時も「んごーい!」(すんませーん)\( ̄口 ̄)、
人垣をかき分ける時も「んごーい!」(すみませーん)(+_+)、
何かしてもらった時も「んごーい!」(すみませんー)(^▽^)
でOK。

(ちなみに金が絡んだりなんかもらったり改まった言い方の時には「んごーい」じゃなくって「どーちぇ!」を使う。従って買い物をする側の観光客はこの「どーちぇ!」の方をよく聞くかもしれない。

どっちも「ありがとう」って意味なんだけど、香港の人はこれをちゃんと使い分けてるのです。)

コレに限らずこういう汎用的に使えることばを沢山覚えておくと旅には便利です。

ちなみに「んごーい」の「ご」は「こ」と「ご」の間「こ°」って感じで発音するのがコツかな(^-^)

で、「んこ°ーい!」で首尾良くおばちゃんを止めたらせいろを開けてもらってうまそうなのがあったらそれを指さしてテーブルに移してもらえばおっけー。

(お店によってはその時ラジオ体操のハンコみたいなのを押してくれるけど、それはお勘定の時の何をどれだけ食べたかの記録だから、

食事の途中、お財布と相談したい時はそれを数えて計算すればだいたいいくら位になるのかが判って便利です。

飲茶の場合、大抵は料金は三段階位、値段が高い順に大・中・小で表示されています。勿論、お店によって違いますが。)

それとカートを押すおばちゃん達は、独特の言い回しで何か言いながら周回してますが、アレは食べ物の名前を連呼してるだけです。

なので美味しいのに当たったらその名前を覚えて置くと便利です。広東語の発音は難しいので「意地でももっかい喰いたい、コレをもっかい喰わなきゃ死んでも死に切れん」と思ったら、メモを差し出しておばちゃんに漢字で書いておいてもらえばカンペキです。


(5) 「まいたーん!」

まいたんはお勘定の事。従って「んごーい、まいたーん!」は「すんませーん、おあいそー!」って感じ(^-^)

お店によるけれども香港では大抵お席でお金を払うか、お席で伝票を書くかする事が多いです。

(2)の所で書いた「広東語会話」では、この「んごーい、まいたーん!」も何度も繰り返し繰り返し発音の練習をしていて、それがマジでなんか、おもしろかった。(またやんないかな、あの番組)

広東語は六声とも八声とも言われていて、発音がとてもむつかしいのですが、まいたーんの「た」を少し威勢良く言うといいかもです。

色々考えたんだけど、「んごーい、まいたーん!」の広東読みは、救急車のピーポーパーポーってのを思い出して言うとそれっぽく聞こえるかもしれません(^-^)

チップは気持ちで。(気になる方はガイドブックや現地の人がやってるのを参考にしませう)

香港のちょっとカネ周りの良いオッサンとかは、少し大き目のお札で払っておつりと伝票はそのまま残す、という方やり方が多い様です。ま、別にワシ等は粋に行かなくともいいでしょう。

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以上、この一連の動作で、ワタシはわずか3つのことばしか使ってない。「ぽ〜れい」と「んごーい」と「まいたーん!」だけ。

しかも「ぽ〜れい」なんて固有名詞じゃんね。「ほうじ茶」って言ってるのと同じだもんね。

確かに、あの時みんなから「広東語べらべら!」って誤解された時は、「飲茶」じゃなくってお夕飯食べに行った時で、

いかにも日本から来ました〜って感じのこ洒落た女の子(本人達はそんな事ぜんぜん自覚ないけど)を三人も連れてて、

そんでナメられて外国語メニュー(ワタシは香港ではこの時のこの一度しかお目にかかってないけど、みんなのハナシを聞いてみると

香港の、特に表通りの店には広東語で書かれたメニューの他に日本語、英語などで書かれたメニューをおいてる事が少なくないみたい。

勿論、外国語メニューは通常より値段が高く書いてある)なんか出されてあやうくボられそうになったりして、

それをワタシが当たり障り無く未然に防いだりしたから、もう少し別のことばも使ったけど、

それにしたってまぁ、確かもう1フレーズ、出された外国人メニューをぱたりと閉じて、「で、しょーろんぽーっていくらなのさ?」って広東語で言っただけだったと思う。

第一、広東語を使おうにもワタシは広東語の文法を全く知らないし、語彙も全然無い。

只、わずかなフレーズと、後は「ボケ・ツッコミ」の様な香港独特のテンポ、それと指数字を初めとする少しのボディランゲージ≒その場にあった現地の人の動作、を少々覚えていただけのハナシなのである。

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そうそう、香港と言えば、日本人宿屋に長居している時、こんなコトがあった。

ある日、その宿屋に日本人の学生さんがグループで泊まりに来て、宿の長椅子に座っていた。その中に金髪の独国人の男の子もまじっていたのだが、ワタシはパッと見、それに全然気付かなかった。

当時はまだ茶髪なんかめずらしく、金髪の彼はとても目立った筈なのに・・・彼はするっとその団体に違和感無く「なじんで」いて気付かなかったのだ。

後で聞くと、彼は日本にずっとホームステイしていたのだという。彼は金髪でも青い眼でも、その時はきっと身のこなしが日本人になっていたのだろう。

多分、ボディランゲージがわかるって、その国の文化がわかるって事なんだと思う。

・・・スマートに外国語を操って会話するのもカッコいいけれど、ボディランゲージも真面目に考えると結構奥が深い。決してバカに出来ないなって思うのです(^-^)。

「初めての外国で不安だったけど、身振り手振りで何とか通じたよ!(^▽^)/」

コレってすごく立派なコトだと思うし、

「もぉ、英語なんて出来ないからさ、手なんかこんなんなっちゃって、恥ずかしいけど全部ボディランゲージだったよ。」

これもちっとも恥じるコトなんかないと思う。スゴイよ(^-^)!

ことばと同様、ボディランゲージも意外と通じなかったり、誤解を受けたりするコトがあるかもしれないけれど、

それは「会話」。

相手の居るコトだから相手とのやりとりでなんとかなって行くと思います(^-^)。

恥ずかしがらずにれっつぼでぃーらんぐぇーぢ!

:モノを買う時とか何かを契約する時などは、必ず紙に、できるだけ具体的かつ簡単な単語で書き示して、何度でも金額や条件を確認した方が良いと思いますけど。)


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