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ふぁいるでーた

「ほしのこえ」


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 2002/06/03号


「ほしのこえ」

ほしのこえ」というのを視させてもらった。

この作品は個人にスポンサーがついて、その彼は七ヶ月間部屋にこもってMacに向き合いこの25分の「アニメーション」を一人で作った(*1)のだという。

なんかケイト・ブッシュ(*2)みたいだ。

お話しは殆どセリフだけで進んで行ってちょっとサウンドノベルの様な感じ。もし、これがまんが(漫画)だったらフキダシだけでページが埋め尽くされちゃうんだろうな。

馬鹿にするでもなく、賛美するでもなく、只、あれはもうワタシの内(なか)の処理としてはまんが(アニメーション)じゃない。

別ジャンルだと思った。

「飛び出す絵本」の豪華版と言ったら関係者の方やファンの方は気を悪くするのかな。

登場人物や舞台がキッチリと用意され、そのキャラとメカとシチュエーション達がワタシの枕元で輪になって声を出してストーリーを朗読してくれている様な感じだ。

この作品は、

大友克洋のまんがの様に、そしてふつーの映画の様に登場人物達は「動かない」。

動かないけれど外タレのプロモ(ビデオクリップ)みたいに画面は「動いてる」。

弁士が活躍してた頃の「活動写真」みたいでもあるが、例の本を開くとフォログラムが出てくるっていうSF映画に良くある式の「未来の絵本」の様でもある。

こういうジャンルがこれからどんどんウケて行くのかもしれないな、と思った。

ワタシは小説を読みながら登場人物を色々に想像するのが好きだから、自分のハンドルも最初は「ワタシ。」にした。一人称の「私」と紛らわしいというご意見も頂いたけれども、ワタシの意図は正にそこにあった訳でして、実は。

ぶっちゃけ皆様にどんどん混乱して欲しかったのです。混乱してその内好きなところへ落ち着いて欲しかったのです。

「ワタシ。」は「ちはる。」である必要も、私(わたくし)である必要も無く、読んで下さる方が自由に想像して、ウメでもマツでもそして貴方ご自身でも良かった訳なんです。

ってそれにしちゃ随分と我が強い文になっちゃってると思うし、もっと冷静になってみればそもそも自分の文章にそこまで関心を寄せて下さる方もおられないだろうと気付く訳で、

そうするとこんな事言ったら自意識過剰って思われそうで、色々なメール頂いても恥ずかしくって今まで言えずにいたんですけど。今言っちゃいました。

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小学生の頃、学校にあった白樺を描いたら母に

「上手に書けたがね〜、この桜

かなんか言われてヘコんでたら、ヘコませた当人である母に「絵は見る人が自由に感じればいいんだから別に(白樺と思ってもらえなくても)いいんだ」とかなんとか言われて乱暴になだめられたことがあったんですが。

なんかでも、そうだよなって。なんかね、納得しちゃったんですよね、その時。

そぉいやそうだなって。自分も小説や絵を見ていろいろともそもそといくらでも想像して楽しむよなって。

余談ですが、ワタシの好きな「はっぴいえんど」というバンドの曲は、聞くといつもワタシの頭ん中にはアニメーションが見えるんです。

実写じゃなくて、子どもが描いたような、線が太くてキョーレツなんだけどとても愛らしくてはかなくて、可愛いんだけど愁いと悲しみがあって、素朴なんだけどタイトな雰囲気な絵が動く。

それをいつかセルに起こしてみようかなとか、コンテ切ったり、最近ではGIFアニにしてみっかとか、その時代、その時代で考えてたことがあったんですが、いつも実現には至りませんでした。

「ほしのこえ」を視て、その勇気さえあればかなりのクオリティでそれは可能なんだという事が証明されてしまった様な気がしました。

自分にはその勇気は無いですけど。

自分がもし年頃の男の子だったとしたら、ビデオとか写真集とかじゃなくって、きっと悶々と想像するタイプだったろうな、と思います。

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(*1)一人で作った

音楽と音響は別の人にまかせているそうです。でもオリジナル版では声の出演まで!ご自身でやってるそうです。(販売されてるDVDは声優さんの吹き替えだそうです)  (*1)にもどる

(*2)ケイト・ブッシュ

イギリス出身のアーティスト。

彼女の4作目のアルバム、「The Dreaming」はそのライナーによると、72トラックをフルに用いており、内36トラックをヴォーカル・パートに当てたという。

通常は全部で24トラックあれば十分なところを、だ。

トラック録音というのは版画の音楽版と思ってくれればピンと来てもらえるかと思う。

版画を刷る時、背景の色や主線など、何回も何回も版を変え色を変えて重ね刷りするけど、あれと同じで簡単に言えば各パートごとに別撮りした音と音を重ねて行く作業のことだ。

録音だけだって大変な事だし、その音の果てしのない組み合わせのパズルを完成させるのは想像を絶する気の遠くなる作業の繰り返しだったろう。

彼女は実に15ヶ月「こもって」それを完成させた。

すげぇ。キチガイだ。音楽ファンの間で一時期「ケイト・ブッシュはオカシくなってしまった」という噂がたったのも、この狂気とも言うべき彼女のスタジオワーク故なのかもしれない。

関連ページ↓
http://www.yo.rim.or.jp/~sozo/katebush/  (*2)にもどる

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