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ふぁいるでーた

旅と抗生物質


通しNo .00077
〜なはなし
考えた事・熱く主張
〜のはなし
旅・せかい
出発前の君へ・・・
せかい
旅全般
〜のころ
すなふきん(前半)
すなふきん(後半)
とき '92 7月-'92 10月
記載しない
メルマガ配送日
 2002/07/10号


旅と抗生物質

旅先で抗生物質を乱用している人を見かけた、という事を『旅と下痢。』で少し書きましたが、今回はその事についてちょっと詳しく書いてみたいと思います。

旅に抗生物質を持ち歩いている人は少なくありませんが、それは例えば以前風邪をひいた時の飲み残しでまだ使用期限内の物や、

いわゆる「かかりつけ(かっちょいい言い方をするとホームドクター)」のお医者に事情を説明して、かつて処方された事のあるお薬を保存方法、服用方法などなど十分な説明を受けた上で少し余分に出してもらって持って来た、という位はまぁ、良いとして・・・

ワタシの旅した時には(こういう言い方はしたくないのですがいわゆる)「「発展途上国」と言われている所での下痢は抗生物質が良く効く」とか何とかといった情報が、

一体どんな菌にどんな系統の抗生物質がどのように効くのか、とかそういった情報も何もなく、只々抗生物質が良いんだという事が無責任かつまことしやかに流れていました。

そのせいか、とかく皆さん特に若い人は抗生物質、抗生物質と固執していた様に思います。中には「知り合いの歯医者さんに無理にお願いして1箱譲って貰って持って来た」などという、自慢話の様な苦労話の様な話し迄聞かされた事もある位でした。

こうした「日本での抗生物質の入手の仕方」は、他の人からも結構聞かされていて多くの人が苦労している様なのですが(実はそういう入手方法をわざわざ親切でメールして下さった方も幾人かありました。)、

しかし、元医療従事者のワタシとしてはそういった人達のそうした抗生物質によせる盲目的な信頼というか感心というか、それ程までにして抗生物質を絶対手に入れなければならないという危機感というかがイマイチ、ピンと来ないワケです。

確かに、ある種の下痢にはある種の抗生剤が効いた、という事は事実としてあったのでしょう。

しかし、抗生剤というのは種類も沢山あって当たり前ですがその薬によって様々で、それをその時々の原因や症状、その人の状態などなどを十分考慮して処方していくワケですから、勿論ワタシも含めてとてもシロウトの手に負えるモノではありません。

ちょっとカタい事を言うようですが、カラダのしくみもよくわかっていないのに勝手に薬を飲むこと自体が無謀な事だと思いますし、特に抗生剤などをみだりに服用する事は元来とても危険な事で、症状が改善しないばかりではなく場合によっては取り返しのつかない事にだって発展しかねないのです。

ワタシは医者ではありませんのでなんとも言えませんが一応元ナースという視点から見てみると、実にとんちんかんな場面でとんちんかんな抗生剤を、これまたとんちんかんな飲み方をしている方を見かけた事もありました。

お医者、というのはにんげんの体の解剖生理と病気の事を出来る限り学習していて、病気を診断し、そしてその時々に一番有効と思われる処置をします。

それはあなたの旅先のお医者も全く同じです。

『旅の準備〜怪我・病気に備え編〜』でも書きましたが、その上いわゆる風土病など、現地の病気の事を一番よく判っておられるのは現地のお医者だと思うのです。

飲み慣れた薬や持病の薬を持ち歩く事はその各自にとってはとても大切な事でしょう。そしてお守り代わりに大量の抗生物質を持ち歩く事もその人にとっては同じく重要な事なのだとお察しします。

でも、服用の際にはもう少しお薬の事もきちんと考えて欲しいのです。

お薬はお薬であって食品ではありません。処方を間違える事によって毒薬にだってなり得るシロモノなのです。少なくても、抗生物質は「たちどころになんでも直してしまう魔法の万能薬」では無い、という事だけは言えると思います。

これは言われてみると当たり前のことなのですが、疾病の前に予防はありますが、治療はあり得ず、常に疾病があって治療(その中には当然抗生剤の投薬も含まれているでしょう)があるのです。

旅先では無理をせず、十分な水分と栄養と時間を取り、手と体の清潔を保つ事で大抵の病気は避けられると思います。

そしていざ、という時には無理をせず、又自分で勝手な判断をせずに早目に(取り返しの着かない事になる前に)現地のお医者にかかることをおすすめします。その時の為にも旅行保険は入って行った方がいいかと思います。

それでは色々と脅かしてしまったかもしれませんが、旅先では何が起こるか判りませんから(^_^;)。それは、あなたが飲もうとしている薬に関しても言えるんじゃないかなぁ、ってなお話しでした(^-^)。


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