*「風をあつめて。」は、猫ちはる。が日々書き溜めた、旅の文章やエッセイをメルマガで送りながらウェッブでも公開しているサイトです。
著作権は「猫ちはる。」にあります。全ての文章、イラスト、カット、写真などは全て無断転載禁止です。


トップページ > 文章 > 旅と下痢。


メルマガ登録

下のボックスにメールアドレスを入れて登録ボタンを押して下さい。
まぐまぐ・ID21973


ふぁいるでーた

旅と下痢。


通しNo .00078
〜なはなし
どたばた・とほほ
考えた事・熱く主張
思ひ出・のすたるじあ
〜のはなし
旅・せかい
喰いもの・せいかつ
出発前の君へ・・・
せかい
印度
旅全般
〜のころ
宅浪人
とき '91 3月-4月
メルマガ配送日
 2002/07/12号


旅と下痢。

例の印度旅行の時、南印度で χ さんという人に出会った。彼は腰巻き状の服というかボトムス(確か「ルンギー」。南印度の男性が良く身に付けている。印度シナでいう所のサロンと呼ばれる所のもの)を付け、やっぱり現地で買ったチャッパルと呼ばれるサンダルをはいていた。

現地と言ってもそのチャッパルは χ さんが前回の印度に来た時買ったものだそうで、彼はそれを随分と気に入っていて印度旅行と印度旅行の間の日本でもはき続けていたとかで、

その為、もういいかげんくたびれていたのだが更に彼はそれを直し直し履いていて、そうやって印度の職人に直して貰ったつぎはぎだらけの皮のチャッパルが又、彼のご自慢というかお気に入りで、

そんな彼がバスで別の地に旅立つ時、ワタシと妹がバス停まで見送りに行ったのだがそんな彼の正に出掛けも出掛け、じゃあね、と意気揚々手を振ってバスに乗ろうとしたその時!、

ミゴトにその鼻緒がブッちぎれて、彼はなんか車に轢かれてノビちゃったビーフジャーキーみたいなってしまったソレを引きずり引きずり、笑いながらバスに乗り込んで行った、

と、長くなったがそういう人だった。

さて、彼がそれ程までにチャッパルに愛着を持っていたその理由は知らなかったが、現地の腰巻きを愛用していた事にはワケがあった。

彼は、ある日印度のある所でものすごい下痢に見舞われたのだそうだ。

そこで彼が(宿屋の人か誰かに)トイレは何処だと訊ねた所、その人は目の前の池だか湖だかを指さして、「ここ全部がトイレさ!」と言ったんだそうな。その瞬間、彼はその腰巻きと運命を共にする事がイチバンだと言うことを悟ったらしい。

ともかく、下痢は酷く、しつこく、何度も何度も、何度も何度も、彼はその川面に赴き、そうしているウチにトイレも水式になったという。つまり、その時から彼はトイレの後、紙を使わずに現地の人と同じく水を使う様になったというわけだ。

それにはやっぱりその現地の腰巻きがイチバンで、水式、腰巻き共に下痢時にはとっても有効・・・という事だったらしい。

下痢と言えば、ワタシの妹も印度旅行中激しい下痢をしていた。

彼女が分析するに、その下痢は「辛いモノの食べ過ぎ」だそうだ。そういえば、旅の始めには「おいしいおいしい」とほおばっていたカレーを旅の終わりの方ではあんまり食べなくなったので、何故急にカレーを食べなくなっちゃったの?あんなに美味しいって言ってたじゃない?食べなくていいの?と訊ねると、

「食べたいけど・・・オシリがもうダメ。

と言っていた。こんな事を書くと又妹に怒られそうだが、その時の彼女はどうやら下痢+ぢのWパンチだった様だ。

ちなみに、ワタシはというと辛いモノはからきしの為、チャパティとドサ(ィ)(米を発酵させたモノを薄く焼いたもの)とダヒ(ヨーグルト)とラッシーで暮らしていたので、それ程激しい下痢にはご縁が無かったのだが、疲れと乾きから高い熱は出していた。

そんな南印度の土壇場(丁度『黄泉を走る列車』のマドラスの後の話になります。)で、ワタシ達は「今こそ」とばかりに日本から持ってきたカップヌードルを食べる事にした。

なにしろワタシ達姉妹は共に小さなデイバッグ一つだけの荷物だったので、お互い持って来たたった1コのカップヌードルは実に各デイバッグ内の1/4近くのスペースを占領してしまっていた。

その、食べてしまえば減る小さな「大荷物」を、旅の終わり近くの印度最南端のカンニャークマリまで持ち運んでいたのだから滑稽といえば滑稽だが、本人達にしてみればそれは正に最後の砦、いざという時の非常食のつもりだったのだろう。

しかし、そのすっかりひしゃげたカップヌードルにぬるいお湯を入れる時も、別段ワタシ達はそれを食べたかったワケでは無かった。

只、このままではコレを食べずに日本に持って帰ってしまいそうで、流石にそれはバカバカしいし、どうやら二人とも体が弱っている様だし、もしかして今こそがこの非常食の出番なんじゃん?ヨ〜シ、ここは一つここでコレを食べてしまおうじゃないか、とカンニャークマリに着いた時から二人は決断していたのであった。

それはどおってことない予定の様だが、この先アレよりもっと酷い目に遭わないとも限らない、まだまだまだまだ難儀するかもしれないから、命綱の様に思っていたソレを今、この時点で喰ってしまうということはいわば究極の選択、大ばくちと言っても過言ではない決断だったのだ。

とワタシは記憶していたのだが、妹の説ではちょっとニュアンスが違っていた。

妹はその時すごい下痢をしていて、へろへろで、何か食べる気持ちも失せていて、それなのにワタシがカップヌードルを喰えと迫ったので、内心「ええ〜こんな状況でも食べろって言うの、ヒドイ〜ちゃあちゃん(ワタシのこと)、ヒドイよ〜」と思っていたと言うのだ。

確かに、ワタシは妹が下痢の時何か食べろと迫ったが、それがカップヌードルだったとはすっかり忘れていた。言われてみればその時も強く言ったかもしれないが、別の場面でもワタシはメシを喰えと彼女を叱ったた筈だ。(なおヒドイ。)

ともかく、彼女が下痢の時、ワタシが「それでも飯を喰え」と言ったのは事実だ。

何も舎弟いぢめでは無い、なんかこう書くと本当にヒドイ姉の様だが、ワタシだってやみくもに喰え喰えと言っているワケではない。きちんと考えて言っているのだ。

その時は、とにかく食べられなくなったらどんどん体力が落ちてしまうし幸い吐いてはいないのだから食べても吐きはしないだろう。

本人のことばを信じれば、食べても刺激物じゃなければ下痢もしないだろうし、よしんば別の理由で下痢をしてたとしても下痢が出る分にはOKだから体力維持を優先して(主にゴハンとか消化の良さそうなモノを)「食べろ」と言ったのだと思う。(*1)

そもそも、下痢というのは悪い出来事だけど悪いコトでは無い。

「下痢」は、カラダが何か悪いモノを体の外に排出しようとしている、いわば自然にそなわった(カラダの)治癒能力なのだから基本的にはみだりに止めたりしてはいけないシロモノなのである。

体の悪い所が直らないで、又は悪い菌が外に出ないまま、只下痢だけを止めてしまったら、当然悪いものはいつまでも体の外に出ないでちっともカラダは治らないし、場合によってはもっと大変なコトになってしまう可能性だってあるワケです。

それは発熱にも同じコトが言えて、熱というのは、体の中の悪い菌を殺そうと熱が出ているので、やっぱりむやみに解熱剤などで熱だけを下げてしまうというのは良くないことなのです。

普段、下痢や発熱でお医者にかかると、とかくワタシ達は「下痢」や「発熱」などの症状の緩和を訴え、またそれにお医者も応えてくれますが、その時、お医者は只やみくもに下痢や発熱を止めてしまっているのではなく、その時々で、場合によってはその下痢や熱の菌に合った抗生剤などを投与して、症状を緩和すると同時に、原因となっている菌も殺す対策をちゃんと立てて下さってるのです。

(*抗生剤は大変難しいお薬ですから、自分で勝手に判断して服用するのでは効果が得られないことがありますし、それどころかとても危険なコトにもなりかねないと思います。ワタシ自身、旅先で抗生剤を乱用している方も見かけましたので、その事を『旅と抗生物質』に、詳しく書いてみました。)

ワタシの小さい頃からのかかりつけのお医者で、後に帰国後働かせていただいていたおじいさんセンセイなぞは、下痢をした患者さんに

「あのう・・・何か食べてはいけないものってあるでしょうか?」

と聞かれて、

「無い。喰えるなら何でもどんどん喰えばいい、それでどんどん下痢を出すんだよ。悪いものを外に出すんだ。」

と答えていた位ですから(^_^;)。その時のそのセンセイの考えは、患者さんの下痢の原因、体力などから総合的に判断して、腸の働きを整えるお薬だけで様子を見て、あとは自然治癒にまかせよう、という事だった様です。

モチロン、それはどんなケースにも当てはまるというワケではありません。病気は常にケースバイケースですので。

又、以前『旅の準備〜怪我・病気に供え編〜』にも書きました通り、現地では現地のお医者が名医ですから、場合によってはコレラや赤痢などの可能性だって無いワケでは無いので、具合が悪い時にはあまり無理をせず、すみやかに現地のお医者にかかることをワタシはおすすめします。

かくいう、チャッパルの χ さんも、現地のお医者にかかってお尻にぶっとい注射をしてもらって元気になったそうです。

妹はというと、カップヌードルを食べて十分に休息をとりしばらくカレー断ちをした所順調に回復、又すぐに「カレー食べたい〜(*^o^*)」などとぬかしておりました。

しかし、下痢や発熱は止めるな医者に行け、と言われてもすぐにお医者にかかれないというコトだってあると思います。

そんな時はどうしたらよいか。

そんな時は、まず、落ち着いて自分の症状を観察、記録しつつ、適当に水分を取ってとにかく休むのが良いかと思います。発熱の場合は、(手に入れば)氷などを袋に入れたモノや、ミネラルウォーターをボトルごと凍らせたモノなどを脇や股にはさんで(要するにカラダの太い血管のある所を)冷やします。

そういった、いわば自然治癒を待っている様な状態の時に心配なのは、体力の低下と脱水症状です。

具合が悪くなった時に限らず、旅先で、特に気温が高い国、乾燥している国等をまわっている時は只でさえ暑さや疲れから脱水症状をおこしやすくなっていると思うので、下痢や発熱時にはつとめて水分を取る様心がけます。その時、冷たい水は控えた方が無難です。湯冷ましが無理でも常温の水が良いでしょう。

その様な時の為にも、粉末のポカリスエットを幾つか持っていくと心強いかと思います。

実はワタシはあちこち行っている割には体があまり丈夫ではなく、扁桃腺肥大、気管支炎、気管支喘息などの持病があり、又乾燥に極端に弱い体質の為、ポカリの粉末は出発前に必ず日本から持って行く様にしています。

そして、特に乾燥した地域に行った時などは、病気じゃなくてもミネラルウォーターにポカリの粉末をといた物を持ち歩いて飲んでいます。(もちろん、長期の旅行の場合はそんなワケには行きませんが(^_^;)、だいたい1ヶ月前後位までの旅ではそうしています。)

そして、なんと言ってもまずはじめに病気の予防として大切なのは「疲れないこと」だと思います。コレが第一の病気の予防と旅の安全の為になると思います。

その為にはあまり無茶なスケジュールをたてたり連日夜更かししたり・・・という事は避けなければなりません。

『シワのおじいちゃん』でも書きましたが、旅先では「一日一コの事しか出来ない」と思って、ゆっくりとしたペースで旅する事を是非おすすめします。(と言いつつ、ワタシ自身も短期の旅行の時は結構詰め込んでしまって、熱なんか出したりしちゃったんですよネ〜(*^o^*)反省、反省。)

というワケで・・・お互い無理な旅行は避けるようにしましょう(^_^;)。

それでは、元気に行ってらっしゃあい〜(^▽^)/~~~~~~(って誰が?!)

-------  -------  -------


(*1)「食べろ」と言ったのだと思う。
カップヌードルは決して消化良さそうとは思えないのですが、今思うと多分、その時入手出来る喰いもので、一番安全に思えたのだと思います。

弱ってる時は可能ならやっぱもっと消化の良いモノを食べた方が良いと思います。すまぬ、妹よ。  (*1)にもどる


このお話しをおススメしてね!→




 おススメ!へ  一覧へもどる


*バックナンバーについてはデータがたまる迄は旧旧サイト旧旧サイトのミラーをご活用下さい。


このページ内の全ての画像、文章、コンテンツなどは無断使用しないで下さい。
使用する場合は、管理者に必ず事前にメールで是非を聞いて下さい。