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ふぁいるでーた

はぢめてのタイランド・後編


通しNo .00080
〜なはなし
どたばた・とほほ
感想・思った事
〜のはなし
旅・せかい
出発前の君へ・・・
せかい
香港(返還前)
タイ王国
〜のころ
ナース卵
高看学生
とき '91 3月-4月
メルマガ配送日
 2002/07/24号


はぢめてのタイランド・後編

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このお話しは、前後編の後編になっています。
前編は『はぢめてのタイランド・前編』をご覧下さいませ。
こちらにあります。
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尚、この読み物は以前
タイ初体験・後編』というタイトルで
公開していたものを今回手直ししたものです。
以前のファイルはこちらにあります。

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*文章の終わりに「旅の準備Q&A」(じゃないんだけど(^_^;)。)みたいなものがちょびっとあります。

──タイに関することを一切知らず、ガイドも地図も持たず・・・でもとりあえず「左に流れるバス」に乗り込んで、なんとかバンコクの市街に出た「猫シスターズ(*1)。さてさて・・・──

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さて、宿屋をさがそうにも相変わらず宿屋かと思ってビルに入ると全然違った、というのを繰り返していたワタシ達姉妹だったが、途中で「(直接宿屋を探すのではなく)現地の旅行会社を当たってみたらどうだろう」というコトに気が付いた(はよ気付け\(^_^;))。

マージンは取られるだろうけれど、この際致し方ないだろう・・・と言うことで、今度は旅行会社らしき建物に入っては又全然違った、というのを繰り返した。

・・・バカである。それなら直接宿屋を探した方が労力もお金もセーブ出来ると言うものだが、その時のワタシ達はきっとそれだけいっぱいいっぱいだったのだろう。

そしてついにワタシは建物と建物と建物と建物との狭間に、番台と電話だけみたいな、いやむしろ良く見つかったよな、って感じの小さくてこざっぱりとしたエージェンシー(旅行代理店)を見つけた。

エージェンシーのおばちゃんは、何軒かめぼしい所に電話してくれ、なんだか断られたりしながらもある一軒のHOTEL に予約を入れてくれた。

そして親切にもその店にいた子どもに向かってワタシ達二人をHOTEL迄送る様に言い付けてくれたのだ。

お使いを言い渡された女の子は、道に出ると慣れた身振りでトゥクトゥク(オート三輪のタクシー)を止めるとワタシ達を乗せ、自分も乗ってHOTELまでついて来てくれた。

小さな小さなトラックの荷台にそのままシートを乗っけた様な、吹きっさらしのトゥクトゥクの客席に乗りながら、ワタシはいつのまにか日が暮れかけていたコトを知った。

子どもとはいえ、現地の人が一緒にいてくれて心強いからか、今夜のねぐらが決まった安堵感からか、それとも髪をさらうトゥクトゥクの風がとても気持ち良いからか、

空港前ではあんなにうざったかった湿気も気温も脂っぽい風も、排気ガスさえも、今はなんだか心地よくて、目に写る全てが夕日と一緒にこころに入って来るようで、なんだか懐かしいような愛おしいような、胸が熱くなる様な、でもそんな自分をもう一人の自分で見ているみたいに乾いた感じがした。

(今思うと、それは夕暮れの香港でスターフェリーに乗っている自分と、一時だけフェリーからぼんやり海を眺める多くの香港人の横顔に似てる気がする。関連:『TYOの雑踏、香港の喧騒』

案内してくれた女の子は少し英語が出来て、ワタシ達は楽しくおしゃべりをしながらHOTELに向かった。

そしてなんと!まだほんの子ども(小学生くらい)だと思っていた彼女が実は二十二歳、奇しくもワタシと同い年であるコトが判り、すっごくビックリした。

でも驚いたのはお互い様だったみたいで、お互いの年が判ったその瞬間、狭いトゥクトゥクの座席の上で指を差し合い、

「子どもかと思った!」

と言い合って笑った。

(ワタシは結構童顔の方なんだけれども、彼女はワタシよりももっともっと子どもっぽく見えた、というか子どもにしか見えなかったんだけどナ〜(^_^;)。そんな彼女に子どもだと思われたのは、ちょっとヘンな気分だった。)

でもそう言われてみれば、彼女の態度はとてもしっかりしていて、きちんとした大人に見えて来た。

まぁ、かように外国人の年は判りにくいというコトで(^_^;)。

そうやっているウチに、ワタシ達はなんかゴージャスっぽいHOTEL に着いた。入り口の門には、何故か電飾鮮やかに縁取られたスペースに女の人の写真が何枚か貼ってあって、それがしごくめずらしかった。

女の子(っていうか女の人)はワタシ達を下ろすと笑顔で帰って行った。

ワタシ達はHOTEL にチェックインをして部屋に荷物を置き、今度は食べ物を探しに外に出た。

その辺を例によってまた当てずっぽうにぶらぶら歩いていると、その内日本人の男の子に出会った。

彼はχさんという学生で、この近くに泊まっていると言っていた。

ワタシ達は、一泊目はしかたがないとして二泊目は出来れば安く泊まりたいと考えていたので、さっそく彼に宿代を訊いてみた所、ワタシ達よりも安く泊まっていたのでその部屋を見せて貰おうというコトになった。

χさんの宿屋には、もう一人yさんという日本人の男の子が泊まっていて、彼は印度から帰って来た所だから参考になる話しも聞けるのでは無いか、との事だった。

ワタシ達が彼らの部屋に着くと、留守だったyさんも間もなく帰って来た。でもなんかあわてている。

ワタシ達が早速彼に印度のハナシをリクエストすると、またまたあわただしくバッグをさぐってyさんは印度で撮った色粉をかけあう祭りの時の写真などを出して見せてくれた。

ワタシ達はyさんからもっともっと印度の話しを聞きたかったのだが、彼は今日が卒業旅行最後の夜とかで、ガラスの向こうの雛壇にお姉さんがズラリと並んでいるというタイ名物(?)に、

「是が非でも行っておかなくちゃならん」

と随分焦っていて、「もっと話しもしてやりたいんだけどな〜」と何度も何度も言ったのだが、結局又急いでバタバタと出かけて行ってしまった。

χさん(部屋を案内してくれた人)が「ところで君たちは何処に泊まっているの?」と訊ねたので、ワタシ達がHOTELの名前を告げると、彼は笑って「そこは有名な売春宿だよ」と教えてくれた。

なるほど、門の所にあった不思議な女の人の写真は、そうかそういうコトだったのか(^_^;)。

雛壇のお姉さんのいる所といい、ワタシ達のホテルといい、ん〜ん、タイって・・・(今でこそ「男の子は大抵タイが気に入る。だって喰いモンとクサ(*2)と女が安くてウマいもん」等と言うワタシですが、当時はそういうコトもまるで知らなかった訳です。)

結局、ワタシ達はその「有名な売春宿」に二泊した。

宿代もχさんの所と唸る程変わらなかったし、なにしろたった二日の滞在だから移動する時間も惜しかったし、一泊目で別段恐ろしいことも無かったし。

(妹が仲良くなった別の日本人の男の子が、なんか不良っぽい白人の男の子を含む何人かを連れて来て、部屋に上がり込まれて妹も困惑していたのでワタシが追い出した、という事はあったのだが。)

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とここまで書いて、ワタシはその日、夕食に何を食べたか全く思い出せなくて、その旅行に持って行った手帳を広げてみた・・・すると!

その日のお小遣いメモは

バス:13B(バーツ)
アメリカンフライドライス:30B
ドリアンアイスコーン:7B
ヤクルト:5B(トイレ借りたのよ)
オートリクシャー*(HOTEL):20B
ホテル:268B
チャパティ:3B
マドレーヌ:2B
ローズガーデンツアー:12$

と書いてある。(*「オートリクシャー」は「トゥクトゥク」の事)

でも、その日の晩は何を食べたか全く覚えていない。

記録には「チャパティ3B マドレーヌ2B」とあるが、昼間食べた様な気もするし。その日はきっと機内食のあまりのクラッカーとかパンとかをかじって寝てしまったのだろう。

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「ローズガーデンツアー12$」は確か宿屋を紹介して貰ったエージェンシーで申し込んだ筈だ。確か妹が行ってみたいと言ったんじゃなかったかな。

で、翌日はチェックアウトして荷物を持って(と言っても荷物はお互いデイバッグ1コである)「ローズガーデンツアー12$ 」に行って、空港に向かった。(筈だ。)

空港に行くまでは、時間的には十分ヨユーをとったつもりだったが、甘かった。

そもそも又懲りずに市バスに乗って行こうかなどと思ったのがマチガイだったのだ。(後から旅仲間に聞いた所、やっぱり市バスで空港はちょっとキツいらしい。)

市バスでは、「Airport」たったこの一英単語が通じなかった。

その為、ワタシ達は「Airport」と似たような発音の街で下ろされたり、車掌さんに何度も何度もバスの乗り換えを命じられたりした。

でも乗り換え後のバスに、乗る前に何度行き先を確認しようとしても、バンコクのバスは非常に忙しく混んでいて、車掌さんははキップ入れ兼キップ切りにもなる丸い円筒上のブリキのハコが二ツに割れているヤツを片手で開けたり閉じたり、バクバクと音を立ててせかすし、

昔の駅の改札のおじさんが切符を切っていない時もハサミをカチカチ連続して動かしていたけれども、この車掌のおばさんもそれと同じように、30cm程の、ちょうど手でつかめる位の円筒形のブリキのハコを、バクバクバクバク、人の鼻先でやるのである。(*3)

車掌さんは大抵女性で、彼女等には「乗るのか乗らないか」それ意外の事を受け付けてくれる様なよゆーが、どうも無いらしいのである。

それで仕方なくタラップから押されて切符を買ってバスに乗り込んでから行く先を車掌さんに聞く→ラチが開かないので降ろされる→又バスに乗る・・・の繰り返しが延々と続いた。(*4)

もうフライトまで一時間半もない、今から速やかに行ったって、空港までギリギリのはずだ。チェックインカウンターも開いているだろう。

何度目かのバスから降ろされて、姉妹はもう飛行機が飛んでしまった所などをまざまざと思い浮かべつつ、半ベソかいてもうダメだ、あきらめかけた所で偶然、身なりの良い中年の華僑のオジサンに出会った。

妹が勇気を出してそのオジサンに英語で空港への行き方を尋ねると、きれいなキングスイングリッシュが返って来た。それでワタシ達は救われた。

それからワタシ達は更に一、二回バスを乗り換えて、ワタシ達の乗ったバスは延々とバンコクの街を抜け、スラムを練る様に走り、やっとこさっとこ空港に着いた。そしてギリギリで無事(?)ワタシ達は飛行機に乗る事が出来た(^_^;)。

なにしろ、格安航空券は「乗り遅れましたぁ」なんて通じない為、そりゃあ冷や汗モノでした(^_^;)。

・・・このような前例があるにも関わらず、この次のタイも、ワタシはまたもや何の準備も無く、ガイドブックも持たずに臨んでしまいました。

ワープロもリモコンまでもが学習する昨今、一向に学習しないのがワタシの旅なのでアリマス。

おしまい(^-^)。

----- オ マ ケ ------

余談ですが、ワタシは色んな人に「旅の準備や事前の情報収集はどの位すれば良いですか?」と言う様なことをよく訊かれます。

それは、本当にことば通りの質問をしている場合もあるけれど、大抵は旅立つ前の不安がそういうことばで表現されていているだけで、ホントは(ちょっぴり勇気が出ないから)「背中を押して欲しい」という気持ちがある様な気もしてしまいます(^-^)。

旅の準備や出発前の情報収集は人それぞれですが、ワタシ達姉妹の様に、何の予備知識も持たずに出発しても

「まぁ、今現在二人とも元気にやっているから全くの考え無しに旅立ってもなんとかなります、そんなコトあんまり気にせずとにかく行ってみればどうでしょう、結構なんとかなるモノですヨ」

と、言えなくもないですが(^_^;)。

でもそんなコト言って、本当に身一つで危険をかえりみない様な旅をされたら困るし、そんでもって行方不明とかになっちゃったらもっと困るし、頭を触るとすごい侮辱だ、とかその国その国で色々なタブーが(特に女性は沢山)あるしなぁ、その位は知って行った方がいいよなぁ・・・

そもそも、ワタシ達の旅は只単にラッキーだっただけで、ホントはひっじょう〜にアブナ〜イ状態だったのかもしれないんだし・・・

でも、あんまり予備知識を入れずに、現地でカルチャーショックを受けた方が旅が面白いとも言えるし・・・その反面、「本で読んだ通りだ!」っていう感動もあるだろうしな〜・・・ん〜ん難しいトコロです(^_^;)。

ワタシのめやすとしては、

時間を有効に使いたい短期旅行の場合は、(安全に効率よく旅出来る様)準備も情報も万全に、時間に余裕のある長期旅行の場合は、(安全や健康に関する)準備だけは万全に、そして目的地への行き方や何かを除いたその他の情報は最小限に、っていうのが驚きと感動とエピソード(どたばたとも言う(^_^;))が沢山でいいかなぁ、なんて思うのですが。

あ、でも香港なんかの場合は本とかで沢山香港のコトを読んで行ったのに、すっごく楽しかったなぁ。それは「本で読んだ通りだ!」でも、そうで無くっても、五感から流れ込んで来る、全ての「香港」が楽しかったなぁ。

・・・つまり、やっぱり、どとのつまり、「百聞は一見に如かず」ってヤツでしょうかね?

予備知識があっても無くてもリアルなモノって感動を呼びます。

その瞬間瞬間がリアルな体験である「旅」、クセになりますヨ(?!)  本文にもどる。


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(*1)猫シスターズ
作者「猫 ちはる。」とその妹、「猫 妹子」。二人合わせて「猫シスターズ!」と呼ばれています(^_^;)。

こちらに写真とちょっとした説明が。  (*1)にもどる


(*2)クサ
大麻のこと。関連説明はこちらに。他にもイロイロ安いですが(^_^;)。  (*2)にもどる


タイのバスの切符と切符入れ兼切符切り(*3)バクバクバクバク切符入れ
このブリキの円筒形のバスの切符入れから、車掌さんがロール状に巻かれている切符を所定の長さに引き出して、ぱくんと蓋を閉じてトイレットペーパーを切る要領でビッと切符を切って渡してくれます。(なので切符は厚紙ではなくごくごく薄い再生紙に色を付けた様なものです)

という訳でこの切符入れは切符切り兼用な訳ですね。

印度旅行のアルバム見てみたら説明の絵と切符の現物があったので写真upします。写真をクリックすると全体が見られます。  (*3)にもどる


(*4)タイのバスと切符
タイのバスは乗り換えの際、前のバスで買った切符を見せれば後で乗ったバスでは切符を買わなくても良いらしいという事を後日知りました。

あの時はそれを知らなくて乗るたびにお金を取られてほんっととっほっほな感じでした(*^_^*)  (*4)にもどる


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