*「風をあつめて。」は、猫ちはる。が日々書き溜めた、旅の文章やエッセイをメルマガで送りながらウェッブでも公開しているサイトです。
著作権は「猫ちはる。」にあります。全ての文章、イラスト、カット、写真などは全て無断転載禁止です。


トップページ > 文章 > あかいかばん。


メルマガ登録

下のボックスにメールアドレスを入れて登録ボタンを押して下さい。
まぐまぐ・ID21973


ふぁいるでーた

あかいかばん。


通しNo .00099
〜なはなし
感想・思った事
思ひ出・のすたるじあ
〜のはなし
旅・せかい
家族・ひと
せかい
旅全般
生家・故郷じぶん世界
〜のころ
すごく最近
その他
とき '92 7月-'92 10月
メルマガ配送日
 2005/05/30-風街通信もぉ梅雨なのかなぁ号-号


あかいかばん。

実家に帰ったら、両親からしきりにお前の鞄は重たいと言われた。

「まだそんな何でも持って歩ってる生活してるの、もう持ち歩かなくても、家に置いておいといていいんだよ、もう自分の家なんだから、自分で家賃を払ってる家なんだから・・・」

と母が二人きりになった時、そう言った。

そう。

ワタシ達母子(おやこ)はおよそなんでも持ち歩いて生活していた。いつ何時追い出されても良い様に、うっかり家に置いておいて、あらいざらい物色されたりしない様に。

全ての通帳と全財産を大きな鞄に詰め、持ち歩いているのは母だった。その母からそんな風に言われてワタシは少し意外だった。母はもう荷を下ろしたのか。

大きな鞄は不幸の象徴。

ワタシ達母子(おやこ)はいつもいつも行くあてもなく、帰る所もなく、大きな鞄とランドセルを背負って流離(さすら)っていたし、眠る時はいつでも逃げ出せる様、又追い出されても良い様、毎日枕元に鞄と着替えを置いて寝た。

ワタシがあの例の旅で35Lのザックを背負い、毎日毎日はいつくばって歩いてた、あんなことが出来たのも、それまでの日本での生活があったからなんだろう。

ワタシはいつ、荷を下ろせるのだろうか。

このお話しをおススメしてね!→




 おススメ!へ  一覧へもどる


*バックナンバーについてはデータがたまる迄は旧旧サイト旧旧サイトのミラーをご活用下さい。


このページ内の全ての画像、文章、コンテンツなどは無断使用しないで下さい。
使用する場合は、管理者に必ず事前にメールで是非を聞いて下さい。