* 般若犬〜北極圏犬ゾリツアー〜 その4 *
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*その1はこちらです。



サンタさんと涙の出逢いをしたその後は、当時のメモによるとロバニエミにもう一泊した様です。(泊まった所はホテルか丸太小屋かは忘れてしまって、メモも残されていませんでした。)

で、夜、食事の後スタッフのみなさんと全員でくつろいでいると、突然、

「ダメだ!!」

と怒鳴りながらカメラマンの人がやって来ました。そしてワタシの方を見て、突然、

「お前、化粧して無いだろう!!」

と怒鳴りました。

確かに、ワタシはノーメイク派。(っていうか肌が弱いので合う化粧品無いのです。)がでも振り返ると友達までがクビを縦に振っています。

・・・まさか友達までお化粧していないとは・・・ワタシも思いませんでした。

カメラマンの人のハナシだと、お化粧していないで撮影すると、顔が青白く、ものすごく顔色が悪く写ってしまうのだそうで、(その様なテープでは)使い物にならないのだそうです。

「あ〜まさかこの世に化粧しない女がいるとは〜・・・」

カメラマンの人はマジで頭を抱えています。

そこで次の日、デパートを開くのを待って、まずでお化粧品を買ってから撮影する事になりました。

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さて、お化粧品を買う、という事で現地のフィンランド人の女性がかり出されてまして、みんなでデパートへ行きました。

監督さんは一体どの位お金がかかるのかハラハラしています。

この監督さんは、この時だけでなく、もうのっけから予算と視聴率の事ばかり気にしていて、例えばワタシは只、(もちろん自分のお金で)買い喰いしようとしてお店に近寄っただけなのに怒ったり、食事の時なども絶えず予算を気にしていました。

(ここだけの話しですが、この監督さんはこのツアーの半年後位のお仕事で予算をオバーして会社をクビになってしまったと聞きました。ワタシはその話しを聞いて、あんなに予算を気にしていてもオーバーしてしまうものなのかーッ!と思ったものです。)

さて、監督さんはお化粧品というものが、一体如何程か、という事を全く知らなかったみたいで、ファンデーションや口紅の値札を見て、

「こんなにするのかーっ!」

と驚いていました。

ところが、その瞬間、買い物を手伝ってくれていた現地のフィンランド人の女性が間髪入れずに

「女の顔をつくるのには、この20倍のお化粧品が要るのよ!」

と言ったので「う〜ん」と目をまわして、本当に倒れそうになっていました(^_^;)。

ワタシは、「まぁまぁ、ワタシ自分で買ってもいいですし、それにとりあえず、これと・・・これと・・・これがあれば何とかなりますよ!」

と、ファンデーションと口紅と眉墨を(それも安いやつ)見せました。

それで監督さんは少しほっとしたみたいで結局それ等をひとそろい買って、二人で兼用で塗る事になりました。

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その日はメモによるともう一度『ラップランドの歓迎の儀式』をやったみたいです。

それで、多分この日だと思うんだけれども・・・

この日はある『ズルっこ』の撮影をしたのでした。

『ズルっこ』の撮影、というのは、このツアーの1月前に今回日本から添乗しているガイドさんが、下見に来た・・・という絵でした。

撮影の目的は、『フィンランドサファリ・北極圏ラップランドの旅』というワタシ達の旅行を、密着取材・・・という筈だったのに、

いつのまにか撮影の中心は『メイキングオブツアー』という事になっていて、主役もワタシ達から、この添乗員さんへと移って行って、バスの中でツアープランを練る(←もちろん、一ヶ月前の設定で)・・・なんて場面も撮ったりしていたのでした。

そもそも、このロケ自体、きちんとした準備も予定も無かったみたいで、いつも臨機応変・・・と言えば聞こえは良いですが、監督さんは、どうやら海外での撮影の経験が無いらしくいつもオロオロ、オタオタ。

それに加えて予想外にキビシイ自然と気候、難航する撮影・・・スタッフの人達の疲れも溜まって来ていました。

いくらその年は暖冬と言えどもここは北極圏。連日キビシイ寒さで宇宙服の様な防寒着は常に身につけている状態、音声の人は「コレが一番いいんだよ」と、集音マイクが氷りつかない様にマイクに靴下を被せていました。

カメラマンさんは、2日目辺りに偶然防寒着の靴が足りなかったか、動きにくかったかで、現地の人に雪ん子が履く様なわら靴を借りていました。

そしたら、それがやっぱり現地の知恵が作り出したものだからでしょうか、すごく動きやすくて保温も十分という事で、撮影の間中、ずっと愛用していました。

みんな疲れている・・・

でも依然として監督さんはどういう風に撮影を進めて行くべきか、どういう風にしたら良いのか、全く感覚がつかめないみたいで、その時その時で周りの人が言ったことばに簡単に左右されてしまって、その撮影計画というかビジョンがくるくると変わってしまいます。

そこへ持って来て、カメラマンさんは、そのギョーカイでは有名な『ワンマンカメラマン』さんだそうで、先程も書いたとおりご自分が撮りたいモノを撮りたい様に撮っています。

カメラマンさんはスタッフの皆さんに一目置かれるスゴイ人みたいで、監督さんを始め、スタッフの誰かがカメラマンさんに何かを指示している、という様子をワタシは撮影の最後まで一度も見ませんでした。

ま、そんなこんなで、監督さんは全くハッキリした指示をしないまま、相変わらず予算と視聴率ばかり気にしていて、カメラマンさんはそんな監督さんを全くアテにしていず、こちらも相変わらず勝手カメラを回している・・・という様な状態が続いていました。

でもこのカメラマンさんは監督さんのたっての頼みで呼び寄せられたとかで、前二人で一緒に仕事もしたという事だったので、コレがこの人達の仕事の仕方なのかも?!とも思っていました。

でもそんなじゃやっぱりムリっていうか、限界があったみたいで、日を重ねて行くにつれて、撮影はボロボロ、素人目に見てもだんだんとロケ自体がめちゃくちゃになって行き・・・

そんな時に『ツアー自体の撮影じゃなくて、ツアーを作る場面、メイクオブツアー』の撮影をしよう!

なんてハナシが出ちゃって、急きょその撮影・・・ってなコトになって、『一ヶ月前の場面のでっち上げ』なんていう撮影もする事になっちゃったりしていたのでした。

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さてその、急きょ主役になってしまった日本からの添乗員さんは、スノーモービルで走った日、頬の毛穴の中の水分が氷って凍傷になってしまいました。(幸い、酷いものでは無く、大事に至りませんでした。)

頬が白くキラキラ輝く様をカメラマンの人がすかさず撮影します。

これは余談ですが、その時ワタシがウッカリ

「あ〜これは○○(←薬の名前)だ〜!」と(医療従事者にしか解らない)冗談を言いました。

するとみんなが何ソレ?!と聞くので、「○○っていう病気に塗る薬なんだヨ!」と答えると、実はワタシは何を行ったのか良く覚えてないのですが、その病名が性病か伝染病か何かの名前でマズかったみたいで、

それを聞いた瞬間、カメラマンの人は突然カメラを下ろしてぷいっと怒ってどこかへ行ってしまいました。

それで随分その添乗員さんに怒られたししましたが、ワタシとしては、その時は『撮影』の時間じゃなかったし、カメラマンさんはいつも突然勝手にカメラを回しているし・・・何か言っちゃいかんとか言われていたわけじゃないし・・・

ともかく、そんなに大事な場面を撮影をしている、という感覚は無かったのです(^_^;)。(もうしわけないm(_ _)m。)

でも今思うとこの頃から撮影隊さん達の疲れはピークに近づきつつあって、みんなイライラしてた・・・そんな気がするのです。


(その5につづく)